
ある晩
森と海を目指して旅に出たミレラ
いつものように悩んでも
行きたい先が見つからず
ここは方舟に任せてみました
「ねえ、方舟。海が見える森に連れて行って」

ぐっすり眠って目を覚ましたミレラ
方舟は空をぷかぷかと飛行中
窓を開けると下は森
目線の先には海が広がっています
方舟の周りにカラフルな小鳥たちがやってきて
しばらく一緒に遊覧飛行
ピピピ ククク ルルル
ククク チチチ ホホホ
小鳥たちは楽しそうに
うたったりおしゃべりしたり
歌声に合わせて
空も色付いていくみたい
「ここで降りましょう」
ミレラはしばらく
この森に暮らすことに決めました

方舟を降ろしてミレラが外に出ると
1匹の鹿がやってきて
ここは「フォルミストですよ」と
知らせてくれました
鹿との出会いはほんの束の間でしたが
とても静かで神秘的な時間でした

ミレラはフォルミストの森を散歩
ロロロ コロ ルルル クル
さっきの小鳥がやってきて
しばらく一緒に森探索
方舟に戻ったミレラはお菓子をつくり始めました
小鳥たちの歌声をイメージした
コロコロとしたおやつです
煙突からは甘い香りと音楽が
ゆらゆら流れています

小鳥のうたごえ
音符を押すとおやつの曲が流れます
音量に気をつけてお楽しみください





フォルミスト暮らしのはじまり
・
小鳥たちのおかげで
ミレラのフォルミスト暮らしは
陽気にはじまりました
小鳥のうたごえはとても心地よく
方舟も機嫌よく働いています
方舟の機嫌がよいのはとても大事なことです
お菓子を焼くオーブンの具合や
室内にあふれる音楽の調子にも影響します
ミレラは相棒としてとても気にかけていますし
方舟の方もミレラの様子を
とてもよく観察しています
とにかくお互いに機嫌がよいに
越したことはありません

さて
今日は小鳥たちの案内で
リスくんに会いに行きます
リスの木々にやってきたミレラたちは
すぐにリスくんを見つけて
「リスくーん!こんにちはー!」と
大きな声で呼びかけました
ところが
リスくんたら
気が付きもしないで
何かをしっかりと抱えて走り出しました
そのままおうちに入って
扉をパタン
・
「約束してたのに。。。」
小鳥たちはさみしそうな色で歌います
ミレラたちは夕方また訪ねることにしました

夕方
ミレラと小鳥たちは
リスくんの家を訪ねました
リスくんの家は一本の木
幹にいくつも扉があります
家族みんなで一本の木に住んでいて
みんなが一部屋ずつ
持っているんだそうです

リスくんは自分の部屋の扉を開けて
みんなを迎えてくれました
お昼間に一度
リスくんを見かけたことを話すと
リスくんは恥ずかしそうに
仲良しのリスちゃんから
大きなどんぐりをもらって
嬉しくて嬉しくて
急いで家に持って帰ったことを
教えてくれました
みんなは
素敵などんぐりが
壁の額に飾られているのに気が付きました
これはリスくんにとって
特別などんぐりなんだということがわかりました

ぽかぽかとしたやさしい気持ちで
方舟に帰ったミレラは
「リスくんに甘いおやつをプレゼントしたいな」と
方舟に話して
クッキーの材料と明るい音を用意すると
どんぐりの形をしたクッキーを焼きました
それから
丁寧に飾りも真似た
額のクッキーも作りました
焼きたてのおやつからは
甘い匂いとともに
心が弾むような音楽が聞こえてきます

リスのたからもの
音符を押すとおやつの曲が流れます
音量に気をつけてお楽しみください





今日はひとりでお散歩ミレラ
いつか来たことあったかな、いいえ、
初めての森です
みんなみんな初めまして
・
あっちに行ったら海
そっちに行ったら湖
ここは森
「なんて素晴らしいところなんでしょう」
トントン カタン
あら、どこからか音が響いてきます
ミレラは音のする方へ行ってみました

ちょうどひだまりになっている辺りで
2頭のこぐまがおしゃべり中
「もっと高くしようよ」「昨日より高くしよう」
そばにあるのは丸太で作った積み木のようです
こっちをこう置こう
どっちが上だ下だと話し合い
・
「はじめまして、こぐまくん」
ミレラは思い切って話しかけてみました
2頭のこぐまはふたごの兄弟でした
ふたごの兄弟と仲良くなったミレラは
一緒に積み木をして遊びました
ミレラが方舟から梯子を持ってくると
揃っておおはしゃぎ
トントン カタン
トントン カタン
今までで一番積み木タワーができました
切り株は思ったより重かったけど
がんばりました!

夢中になって遊んで帰ったミレラは
方舟の部屋でゆっくり休んでいる間も
トントン カタン の
リズムが耳から離れません
・
トントン トントンカタン カタン
愉快な気分になってきて
「こうなったら おやつを作りましょう」
トントン カタン の
リズムも混ぜ合わせた
アイスボックスクッキーを
作り始めました
生地を冷やしている間に
陽だまりの野原を想わせる
緑いろのグラノーラも

森のつみ木
音符を押すとおやつの曲が流れます
音量に気をつけてお楽しみください




ある日のこと
方舟を湖の方に移動させて
ミレラは湖畔でのんびりしていました
「今日は何をしようかな〜」
なんて方舟にお喋りしていると

うさぎが1匹やってきて
「ミレラさん?」
もう1匹やってきて
「今日もおやつ作るの?」
また1匹やってきて
「何作るの?」
またまた1匹やってきて
「おなかすいたよ〜」
ミレラは驚いて目をまるくしましたが
すぐにおやつを作ってあげたい気持ちになって
「何作ろっかなー」と返事をしました
・
4匹のうさぎは大喜びで
ピョンピョン ピョンピョコ
クルリン クルクル
輪になって踊り出しました
それから 声を合わせて「これどうぞ!」と
持ってきた野菜をミレラに渡しました

4匹のうさぎさんが持ってきたのは
森の中にある畑で収穫したものでした
・
フォルミストでは
みんなでみんなの野菜や果物を
育てています
畑に行けばきっと誰かがいて
畑仕事をしながら
話をしたり歌ったり踊ったりしています
フォルミストのみんなは
輪になって踊ることがとても好きなので
畑を丸い形にしちゃったんだって
畑を囲んで グルグル グルグル
みんなで踊りやすいようにね
・
ミレラがうさぎさんと一緒に
湖のそばにある畑に行ってみると
フォルミストの人たちも森の動物たちも
みんなせっせと和やかに体を動かしています
ミレラも一緒に働きたくなりましたが
お腹を空かせたうさぎさんのために
方舟に戻りました

そうだ!畑の栄養がたっぷり詰まった
グルグルのおやつにしよう!
ミレラはダンスをするように
ステップを踏みながら
手をくるくる動かして
お菓子を作り始めました

森のはたけ
音符を押すとおやつの曲が流れます
音量に気をつけてお楽しみください




ミレラのファミリーのこと
・
ミレラと同じように
家族もみんなそれぞれの方舟で暮らしています
ミレラはおやつ屋ですが
仕事はみんな様々
いつかのどこかで偶然会うこともありますが
長い時間の広い世界の中ですから
遭遇は超奇跡的
なので 年に一度くらいは待ち合わせをして
みんなで会うようにしています
そして もうすぐ
その待ち合わせの日
ミレラは
フォルミストに来てから作るようになった
新しいおやつをお土産にすることにしました
みんなに会えるのを楽しみに
ここ数日たくさんたくさんお菓子を焼いています
・
小鳥のうたごえ
リスのたからもの
森のつみ木
森のはたけ
・
ミレラと方舟が
機嫌よく暮らしていることや
フォルミストの楽しさが
みんなにも伝わることでしょう




・
おしまい
・